『ボレロ 永遠の旋律』稀代の作曲家を熱演ラファエル・ペルソナ「新たな僕の一面を見つけて」
と、監督への敬意と共鳴を語る。
役作りのうえで印象深かったことを尋ねると、「やはりオーケストラの指揮でしょうか」とペルソナ。「指揮のための特訓を7~8か月したんですが、最初は先生についていただきながら、小さな部屋でやっていました。撮影する『ボレロ』と『ラ・ヴァルス』の練習をしていて、先生から『本当の撮影の時は、きっとものすごく感動するよ』と言われていたんです」という。
「撮影で80人ものプロの演奏者の方たちの前に立ったとき、『役者が指揮するのか、まぁ頑張ってね』みたいな雰囲気も感じていました。でも、指揮している最中、ひとつひとつの楽器の音がバイブレーションとして自分に身体的な感覚として伝わってくるんですよ。その撮影を終えたとき、指揮台の上で足が震えていました。今回の撮影の中で最も美しく、最も素晴らしい瞬間が、オーケストラのシーンでした。
そして、ひょっとしたらこれまでのどの作品と比べても、このシーンは本当に忘れられない経験になったと思います」。
さらに本作では、アンヌ・フォンテーヌ監督の熱意により、ラヴェルが実際に過ごした実家での撮影、実際に彼が使っていたピアノを使った撮影も実現した。