『ボレロ 永遠の旋律』稀代の作曲家を熱演ラファエル・ペルソナ「新たな僕の一面を見つけて」
「ラヴェルが暮らしていた家には5人しか入れませんでした。なので、最小限以外の人はみんな外にいて、録音技師だけでなく照明や投光器も入れられなくて。でも、それがかえって功を奏したと思います。とても小さくて全てが完璧で、親密な雰囲気を作り出すことができて、彼の魂や存在を感じることができました。ラヴェルは忙しくないときには自分で壁紙を張ったり、椅子の彫刻をしたり、本当の意味で自分の世界を自分自身で作り出したような家なんです」とペルソナ。「そういうものはスタジオでは決して出せない存在感で、そこで撮影できたのは本当に感動的でした。そして、1世紀前に彼が弾いていた鍵盤に手を置いて『ボレロ』を生み出すシーンを撮れるなんて、本当に言葉にならないものがあります」と、その忘れがたい感激を思い返す。
「音楽としてはとても官能的でエロティックなものを生み出していた」
また、本作が特別なのは、監督がラヴェルを多くの女性たちに囲まれながらもアセクシャルな存在として描き出したことだろう(アセクシャル=他者に対して性的欲求を抱くことがないセクシュアリティ)。
ラヴェルが同性愛者だったと主張する伝記作家もいるそうだが…?
「そこは一番大事なポイントなので、もちろんアンヌとも話をしました。