『雷桜』廣木隆一監督インタビュー 岡田将生と蒼井優が作り上げた“幸せな空間”
これまでに作られた“岡田将生”、“蒼井優”というイメージを引き継いで演じるのではなく、あくまでも斉道と遊になろうとする。それは勇気のいることだけど、そのチャレンジ精神は本当に素晴らしい」。
そんな2人が織りなすシーンの中で、監督が忘れられない、というシーンが…。
「雷桜の下での2人のシーンで、斉道が遊に櫛(くし)を渡すシーンがあるんだけど、本当に見ていて驚いた。表情や動作を含めて2人の芝居がその空間を幸せにしてくれているのが感じられるんだ。見ている人間をそういう気持ちにさせてくれるこの芝居の空間がすごい!って思いましたね」。
もちろん、それは監督の演出があってこそなのでは…、という言葉が終わらぬうちから監督はかぶりを振る。
「というか僕は現場で自分がどんな演出したのか覚えていない(笑)。
ある作品で、女優に撮影のずっと後になって、『監督にあのとき、“できなかったら殺すぞ”と脅されましたよ』って言われたことあるけど、『え?俺、本当にそんなこと言ったのか?』って(笑)」。
それにしても50歳を過ぎて、親子ほども年の離れた俳優陣を迎えてこれだけ瑞々しいラブストーリーを撮るというのは…。むしろ、作品ごとに監督の感性はだんだん若返っているような印象すら受けるが…。