ロウ・イエ&ジャ・ジャンクー最新作を特別招待「第25回東京フィルメックス」ラインアップ発表
カンヌ映画祭のコンペティション部門でワールドプレミア上映された。
クロージング作品
『スユチョン』韓国
ソウルの女子美術大学を舞台にしたこの映画は、もうそれほど若くはない大学講師のジョンイムが、かつてはその分野で有名だった叔父のチュ・シオンに大学の演劇祭で学部の学生たちの寸劇を演出させようと大学に招へいするところから始まる。演劇祭への準備が始まり、その過程でシオンはジョンイムの上司で彼の大ファンである女性教授チョンと親しくなっていく。
本作は『A Traveler’s Needs』(英題)に続く今年2作目のホン・サンス監督作品。登場人物たちが食事をし、酒を酌み交わす場面で重要なことが示唆されることが多いホン作品だが、この作品もその例に漏れず、川沿いにある鰻料理店で多くの進展や転回が起こる(また、演劇祭の打ち上げの席で学生たちが独白する場面は不意に訪れる感動的なシーン)。
ジョンイムは織機で繊細なパターンの織物を作る新進の芸術家であることがこの作品の主題の1つである演劇の考察と共に、作品にもう1つのレイヤーを与えている。ロカルノ映画祭のコンペティション部門で上映され、主演のキム・ミニが最優秀演技賞を受賞した。