くらし情報『【シネマモード】2010年のオスカー、その後…』

2011年2月9日 11:25

【シネマモード】2010年のオスカー、その後…

そんな作品だからこそ、キャスティングはひときわ大きな意味を持っていたことでしょう。過酷な運命を静かに受け入れていく様子を表現するには、諦めの中にも魂や愛を感じさせる力を持っている俳優でなければすべてが台無しに。若くしてそれが出来る人はそう多くはないはずです。でも、「キャリー・マリガンなら」と、製作陣が語り手であるヒロインに、彼女を選んだわけは本編が始まってすぐにわかることでしょう。彼女の演技について、いろいろ語ることはできるのですが、私が強烈にキャリーの才能を確信した理由について書くことで、その代わりとしたいと思います。それは、終演後のこと。彼女が随所で見せてきた表情が、作品の余韻として脳裏に深く刻まれていたことに気づいたのです。映画を観終わってから数時間は、その余韻を味わうたびに、涙がこぼれそうになって困ったほど。
『17歳の肖像』でも素晴らしい演技を見せていましたが、『わたしを離さないで』で彼女が見せたのは、数段に奥が深く力強い才能だったのです。オスカー候補者としての誇りをいまも見せ続けているキャリーですから、本作で再度ノミネートされても不思議ではないのですが、今年は残念ながらノミネートなし。

新着くらしまとめ
もっと見る
記事配信社一覧
facebook
Facebook
Instagram
Instagram
X
X
YouTube
YouTube
上へ戻る
エキサイトのおすすめサービス

Copyright © 1997-2024 Excite Japan Co., LTD. All Rights Reserved.