2020年2月28日 10:00
役者の岐路 第9回 上白石萌歌、教師の両親からの教え「どの仕事も苦しい」20歳の誓いとは
――最も大きな壁は?
デビューしてしばらくはオーディションも受からなくて。オーディションは巡り合わせともいいますが、それでも悔しかったし、自分の力不足を実感しました。そういう葛藤みたいなものがずっとあって、姉の活躍ぶりを羨ましく思ってしまうこともあって。でも姉は姉で、同じように思ってた時期もあったみたいですけどね(笑)。
――それがどのあたりで好転するようになったんですか?
いろいろな作品が分岐点になりましたが、最近では『義母と娘のブルース』(18・TBS系)が私にとって大きな作品となりました。街中で役名で呼んでもらえることはそれまでなくて、自分の名前で呼ばれるよりもうれしいんですよね(笑)。
――そこから、『3年A組』(日本テレビ系)、『いだてん』(NHK)と反響のある作品が続きましたね。
ここ2年くらいはとっても濃い日々で。
大河では、役柄のために水泳のトレーニングをして、食事の量を増やしながら7kgぐらい体重を増やしたので結構大変でした(笑)。「死ぬ以外のことは何でもやる」と心に決めて、日サロにも行って。見た目から役柄にアプローチするのは初めての経験でしたが、『いだてん』を経験して役作りに対する考え方が変わりましたし、「できるところまでやりきる」