くらし情報『ソロシネマ宅配便 第2回 第2回『初恋』バージョンアップした“令和版Vシネマ”』

ソロシネマ宅配便 第2回 第2回『初恋』バージョンアップした“令和版Vシネマ”

のストーリーは「新宿署の刑事・城島(哀川翔)が、新宿の街で暴れる中国人マフィアリーダーで中国残留孤児3世の龍(竹内力)を追う」というシンプルなもの。

世紀末の新宿の街が映し出されるが、激変したコマ劇場前の様子やまだ駅の改札でSuicaを使っている人がいないところに平成中期を感じさせる。映画のキャッチコピー「フツーに生きたいなら、このクライマックスは知らない方がいい」から分かるようにロジカルな常識を嘲笑うかのような荒唐無稽なラストシーンが話題となった。

そう言えば、『DOA』はカネもコネも実力もない絶望的に無力でヒマな学生時代に大阪の新世界国際劇場で観た。不思議な感覚だった。1999年に『DEAD OR ALIVE』を劇場で観賞し、2020年にも『初恋』をまたひとり映画館で観ている。自身に流れた膨大な時間も作品とワリカンする、これぞOSM(おっさんソロムービー)の醍醐味である。

スクリーンの中で不様にあがくアイツは俺なんじゃないか……。
今も昔も三池作品は、行き場所のない男たちの最後の受け皿だ。

お前さん、この映画を見なくていいのか?

(C)2020「初恋」製作委員会

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