2014年9月26日 18:58
ストライキで迷惑VS高額運賃、フランスと日本の航空会社はどっちが乗客思い?
もちろん子会社に再雇用される可能性はあるが、そうなると間違いなく労働条件は悪くなる、あるいは会社側はトランサビアの就航国のパイロットを採用するかもしれない、そう考えたのだ。
LCCのパイロットは大手に比べれば一般的に年収は低い。日本の場合は特に顕著で、パイロット不足でずいぶん良くなったとはいえ、それで年収は大手の半額程度の1,200万円前後とされ、金額の開きはあまりに大きい。
○ストが表面化しない日本での「隠れた歴史」
それでも今回のスト。日本人から見れば、「10日以上もストを続けるなんて大迷惑。お客のことを考えてない。その点、日本の航空会社はやっぱり乗客思い」と感じるかもしれないが、一概にそうとは言えない。
分かりやすいのでJALを例に挙げよう。
前述したように、日本の大手航空会社のパイロットは世界的に見ても高額な年収を得ている。それは長い年月にわたる労使間交渉の結果によるところが大きい。
「乗客思い」である日本の航空会社はなかなかストを実施できない。JRなど他の交通機関との競争上、客離れの懸念もある。そこをついて、パイロット組合は会社側に賃上げを要求し、高収入を勝ち取ってきた歴史がある。