くらし情報『ソロシネマ宅配便 第8回 “実写化マスター”佐藤健、映画『亜人』での思い切った割り切り』

2020年6月5日 12:00

ソロシネマ宅配便 第8回 “実写化マスター”佐藤健、映画『亜人』での思い切った割り切り

さて、1本の作品として気になった点もいくつかある。まず登場人物造形や音楽の使い方がところどころ野暮ったい。思えば、90年代後半の『踊る大捜査線』を大ヒットさせた頃の本広監督は、時代を代表するというより、時代そのものという特殊なポジションにいたと思う。

1998年(平成10年)10月31日、有楽町の日劇ではなんと徹夜組を含む3,200人の大行列ができていた。今より消防法が緩く、映画館が全席指定制になる前。この日から公開開始の『踊る大捜査線 THE MOVIE』を観るために、日劇史上No.1の観客が建物の周囲を囲むように並んだのである。まさに90年代の邦画界、そして黄金時代のフジテレビを象徴する存在。

しかし、爆発的に流行ったものの宿命として、しばらくしたら過去の象徴となり、どうしても古く見えてしまう。
『亜人』もシーンによっては、本広作品で2000年公開の迷作『スペーストラベラーズ』を彷彿とさせた。それでも、映画『亜人』は漫画実写化の絶対的エース佐藤健によって、コミックスやアニメとはまた別の魅力を持った娯楽作品に仕上がっているのである。

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