2014年12月27日 11:30
SFアニメで"宇宙"を夢見た少年が見た地球 - JAXAの宇宙飛行士・星出彰彦氏が伝える宇宙の魅力とSFの役割「楽しさ、そして難しさ」
我々にとって宇宙はより身近に感じられるものになっているが、星出氏はその反面「普通になってしまうことのジレンマ」も感じているという。
星出氏:一見当たり前のように見えても、実は当たり前ではないんですよね。電車にしても飛行機にしても、たくさんの人がそれを支えているからこそ普通に動いている。
宇宙なんて当たり前、と思ってしまうと本質的な面白さに気付けなくなってしまう。時代背景もサイエンス・テクノロジーの土壌もどんどん更新されていく世界の中で、これからのSFはどんなことを伝えていくべきだろうか。
星出氏:現実の世界にもすごく面白いことはたくさんありますが、やっぱりストーリーがあって、アニメや映画が成り立つものですよね。現実に、エンジニアがロケットを開発した時の話などを聞くと、ものすごく面白いんですよ。そうしたことを盛り込みながら、宇宙の楽しさ、難しさを伝えていってくれると良いと思います。
例えば『宇宙戦艦ヤマト』のように、地上を飛び立った艦が恒星間航行をする世界にはまだ遠いが、ISSの活動が宇宙を身近なものにし、一方でより遠くを目指す有人探査の計画は現実に進められている。宇宙はその存在そのものが人を惹きつけてやまないが、SFであろうと現実であろうと、そこで活躍する人々の姿もまた、たまらなく魅力的なのだ。