くらし情報『有名人の自殺報道に専門機関が注意喚起する理由 問題は「葛藤なき発信」』

2020年8月10日 07:00

有名人の自殺報道に専門機関が注意喚起する理由 問題は「葛藤なき発信」

ただ、そういう報道がどんどん続いて、いつまで経っても過去のことにできないように、過度に煽(あお)り続けるような追悼的な報道というのは、やはり抑制的であるべきだとも思います」

こうしたケースも含め、どこまで報じるか・報じないかというのは、メディア自身がその都度判断していく問題だ。

「自殺報道の第一報もそうなんですが、何をどう報道すべきかについて葛藤する中で、それぞれのメディアが報道すべきだと思っています。ガイドラインには、現場や場所を伝えないこと、自殺の手段を報じないことなどが書かれていますが、例えば学校側が子供のいじめを否定しているときに、真実を伝えるために遺書の文面を出すということもあると思います。そこは、報道の意義と社会的な意義というものがある一方で、自殺リスクを高める危険性との狭間で葛藤して発信していくことが、あるべき姿だと思っています。その葛藤がなく、視聴者や読者の関心という基準のみで自殺報道をしてきたメディアが多いように思うので」
○■木村花さんから三浦春馬さんの事例で起きた変化

2001年にNHKの報道ディレクターとして自殺報道に関わってから、この問題を見つめてきた清水氏。

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