といったことで新たな火種を呼んでしまう。今回は、この複雑な問題を考えていきたいと思います。
○「イクメン」に対する女性の不満のもとは……
伝統的に、女性には育児や家事を行うことが期待されてきました。その一方で、男性には、外に仕事へ行き、妻や家族を経済的に支えることが期待されてきました。いわゆる、性役割というものです。
そして時代は進み、大正時代に女性が社会進出し、働く女性たちが登場してきます。しかしその時も、「夫となる男性の苦労を自身が知ってから結婚したほうがよい」という考えがあったので、男性と同じように活躍することは期待されていませんでした。
しかし、今はどうでしょう。
女性たちには、男性と互角の活躍が社会で期待されています。それだけではなく、これまで通りの育児や家事も女性には期待されているわけです。つまり、仕事も育児も家事もがんばっている。にも関わらず、女性にはそれらすべてをやりきって当たり前だという風潮が社会にはあるわけです。
育児や家事はやって当然。その上で仕事を頑張ったとしても、別にそれは普通のことだと。結果、女性が仕事も育児も家事も頑張っていても、ほめられることはありません。