くらし情報『日本企業の「稼ぐ力」向上をめざす法人税改革』

日本企業の「稼ぐ力」向上をめざす法人税改革

「外形標準課税」は、企業の利益ではなく、事業規模(資本金や給与総額)に応じて課税される税金です。法人税と異なり、利益の大きさや赤字・黒字に関わらず課税されるため、今回の外形標準課税の拡大は、相対的に赤字企業の税負担の増加につながります。

「租税特別措置」は、特定の業界や企業を税制面で優遇する仕組みで、一般に「政策減税」と呼ばれています。今回は、その一部が縮小・廃止されます。中でも、研究開発費の一部を法人税額から控除できる「研究開発減税」が大きく縮小されており、研究開発への投資額が大きい傾向にある医薬品業界などの税負担が増加するとみられています。

こうしたことから、一部の企業や業界にとっては、今回の法人税改革は減税ではなく実質的な増税になる場合があると考えられます。ただし、今回の法人税率引き下げによる減税額は、課税ベースの拡大による増税額を上回っており、全体では「実質減税」となるようです。また、課税ベースの拡大は、一部の黒字企業への税負担の偏りを改善し、産業の新陳代謝を促すなど、プラス面もあると考えられます。


政府は、法人税の構造を、広く薄く税負担を分かち合い「稼ぐ力」を持つ企業の税負担を軽減する「成長志向型」

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