結婚・出産を機に退職で正解? 生涯所得や保育の現状から考えてみる(後編)
前回、日本女性の労働力率における「M字カーブ」の説明、さらには、出産後に育休を経て職場復帰をしたケースと、結婚後に退職してその後パートとして働き出したケースでの生涯所得を比較しました。結婚や出産後の生き方に関して、「とりあえず仕事を辞めてから考えよう」とするのは少々勇気がいるのでは? と締めくくりました。
とはいえ、待機児童の問題がなかなか解消されず、保育園に入りたくても入れない世帯が多い現状では、「一度退職して、子どもが幼稚園に入ったら復職しよう」と考える人も少なくないでしょう。このように働くことを前提とする場合、保育園と幼稚園の違いを十分に理解しておかないと心配です。
○幼稚園に行ったら仕事…はできる?
働いている保護者に代わって保育する「就労支援」という側面を持つ保育園とは違い、子どもの教育施設である幼稚園の基本的な保育時間は1日4時間程度。毎日だいたい14時頃にお迎えとなります。よって、幼稚園に預けて復職を目指す場合は、通常のお迎え時間以降も子どもを預かってくれる「預かり保育」が充実している園でなければ難しいでしょう。また、平日の日中に保護者参加の集まりがあるなど、思うように働く時間が確保できない可能性もあります。