2015年4月18日 00:00
嫉妬渦巻く大奥で玉の輿! その教訓は「一に引き、二に運、三に器量」だった
なんて俗説が流布するほど、誰もがうらやむシンデレラストーリーを歩んだのです。
○寺娘から上り詰めるも、危うかった大奥頂点の座
玉の輿に乗った女性をもうひとり紹介します。6代将軍・家宣の側室となったお喜世(きよ)です。小さな寺の住職の娘だったお喜世は、いくつかの大名家に奉公しにいく立場でしたが、縁あって大奥へ上がります。お喜世は薄化粧を好み、うわべだけの派手さや美しさを嫌う、つつましやかな性格の持ち主だったようです。また、書籍を読んだり和歌を嗜(たしな)んだりするなど、深い教養を持ち合わせていました。
そんなお喜世を家宣が放っておくはずもなく、寵愛を一身に受けた彼女は男の子を産みます。そのわずか3年後に家宣が亡くなると、お喜世の幼い息子が7代将軍・家継として就任。
絶大な権力がお喜世のもとへ転がり込んできました。
将軍生母となるとその家族も恩恵に預かることができるのですが、お喜世は自分の父や兄弟に対して「身を慎むように」と釘を刺しています。立場におごらない、芯のしっかりした女性だったのでしょう。
ただ、お喜世は幸せだったかというとそうでもないのです。後にお喜世に仕えていた絵島という女中が、大勢の追放者を出すような大スキャンダルを起こしてしまいます。