高橋洋子が蘇らせる20世紀の名曲たち - カヴァーアルバム第二弾「20th century Boys & Girls II」
これはあくまでも音楽的な話ですが、『残酷な天使のテーゼ』はブレスが少ないので、すごく難しいですね」
――ここまで収録曲を振り返っていただきましたが、あらためて、高橋さんにとってカヴァーとはどういった位置付けになりますか?
高橋「歌を生業として生きている人間として、私がカヴァーすることの意味は、世の中にある名曲をあらためて皆さんにお伝えすることだと思っています。例えば、皆さんがカラオケでエヴァンゲリオンの曲を歌っても、私には何の連絡もありません。詞や曲を書いているわけではないので。それは当然のことなんですけど、詞や曲を作った人と同時に、歌った人がいるからこそ、曲は語り継がれていく。前回のアルバムもそうだったのですが、私は原曲を歌われた方にCDをお送りするようにしています。お金をお支払いすることはできませんが、やはりその方が歌うことによって、曲の素晴らしさを知ったわけですから。だから、カヴァーする際は、そういった敬意も含めて世の中の人にお伝えしたいと思っています。極論を言えば、絶対に原曲には敵わないんですよ。
だから、原曲が好きな方は原曲をお聴きになったほうがいい。でも、あえて今、高橋洋子が歌ったらという世界観だったり、新たなアレンジだったりを楽しんでもらえたらうれしいですし、そこにカヴァーをする意義があるのではないかと思っています」