筧利夫が見た『パトレイバー』の世界、そして後藤と後藤田の違い「押井監督が望む上司像がわかった」
だから、演技はいろいろとその場その場で工夫してやっていましたね。
もちろん、これはずっとシリーズを見てきた方にしか通用しませんけど、その方々の頭の中にはありとあらゆるシーンの後藤田のイメージが入っていると思うので、逆に今回はあまり大きく動かずにシリアスな演技を続けても、いろいろ見えてくるのではないかと思います。どちらかというと、長編では抑え目ということですね。
――公安の高畑(高島礼子)が、シリーズ編に続き今回も重要な役割で出てきました。
高島さんとの共演は初めてではないですし、(二人のシーンは)何か違う作品を撮っているようで楽しかったですよ。僕は長編ではほとんど隊員たちとは会っていませんでしたし。フランス映画を撮っているような気分でした。映っているものとか、風景なども含めて。
フランス映画には出たことはありませんけどね(笑)。
――シリーズ編では切れ者だけに危ないものはうまく避ける人物のように見えましたが、今回は使われているとわかっていながら使われる行動に出ていますね。
後藤田というのは言っていることと考えていることが違う人なので。いろいろ先読みしてやっている人なんです。結局、やらないわけにはいかないんですね、高畑さんからの命令は。