『パト2』と実写――二つの線の重なりに押井守監督は何を映したか「パト2と現在の差分を描くことがテーマだった」実写版『パトレイバー首都決戦』
頭の部分と締めの部分に関する全ての権限を持つのが総監督なんです。逆に言えば、中間の部分には介入しない。だから現場にも行くべきじゃない。今回の現場はその通りやらせてもらった。
――各話の現場はそれぞれの監督にお任せだったんですね。
途中の2話(※)と最終話も僕がやったけど、やらない方があの三人は喜んだと思う。一本でも多くやりたいのに、僕たちの出番が減るじゃないですかと。もっといえば、なぜ三人なのか、二人じゃいけなのかと。
僕は二人では出来るわけはないと思ったから三人にした。四人だと多すぎて統一が取れなくなってしまう。(今回のシリーズ作品制作について)あの三人組に関して言えば、まあ、うまくいったかな。
(※エピソード5『大怪獣現わる 前編』/エピソード6『大怪獣現わる 後編』)
三人というのは微妙な数なんです。二人ならどちらが勝つか、どちらが前に出るかわかりやすい。三人は微妙に拮抗して、決着をつけなくて済む部分と、つけられない部分が両方出てくる。もっと言えば、一人が倒れても成立する数字。
僕は3という数字はいつも根拠があると思っている。
例えば『パト2』は、全部3が基準になっている映画なんだよね。