くらし情報『女の節目~人生の選択 (16) vol.16「初めての、通院」【27歳】』

女の節目~人生の選択 (16) vol.16「初めての、通院」【27歳】

それでも私が「健康優良児」を自認して育ったのは、たまたま、子供のうちに大きな怪我や病気をせず、生死をさまようほどの経験をせずに済んでいたから。ただ、それだけのことなのだと、何度でも驚く。

憧れに憧れていた「手術」の初体験は32歳のとき、日帰りで受けた視力回復のレーシック手術だった。「入院」はまだしたことがない。できればこのまま、せずに生きていきたい。ようやくそう思うようになった。

<今回の住まい<
もともと根暗な性格で、外に出て遊ぶより室内で本を読むほうが好き、そんな人間が心身に不調を来たして引きこもりがちになると、快活な人々より症状の発見が遅れることがあるのかもしれない。26歳のとき引っ越した先は、小さな中庭に面した一階で、縦に細長い間取りの1Kだった。
日中でもほとんど陽が射さず、電気を点けてもつねに薄暗いこの部屋を「穴倉みたいで落ち着くし、家具が置きやすいし、何より蔵書が日に灼けないのがいい!」と大変気に入って選んだ。もしタイムマシンがあったら契約の前日に乗り込んで、当時の自分にもう一度、熟考を促したい。どんな性格の人間だろうと、お日様の光は、とても大切です。

岡田育
1980年東京生まれ。

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