アラサー女性を少女漫画の洗脳から解き放て! - 『東京タラレバ娘』
と手厳しい。
本作は一見、アラサー独身女性に対して脅しがキツすぎるように見える。彼女たちが割を食っているのは、若くてかわいい女性にばかりゲタを履かせる男たちも悪いし、"彼氏がいない""結婚していない"ことを必要以上にコンプレックスと思わせる社会にも原因があるだろう。
作者の東村アキコ氏も、1巻の巻末おまけマンガの中で、「別に私は『女は結婚しなきゃダメ』とか『女の幸せは男で決まる』とか『結婚できない女はかわいそう』なんて全く思ってません」ときっぱり明言している。にもかかわらず、なぜ作者は本作において女性を追い詰めることばかり言うのだろうか。本当はハートマン軍曹が描いてるのか。
○「愛に甘い夢を見るのは20代で卒業せよ」という辛辣なメッセージ
1巻のラストで、倫子は一回りも年下のKEYから挑発的な誘い文句をかけられて一線を越えるという、いかにも少女漫画チックな展開を迎える。しかし、これって恋かしら……と心揺れる倫子に対して、タラとレバーは「酔って魔が差してセックスした」「それ以上でも以下でもないタラ」とアイスバケツチャレンジのような冷たい現実を浴びせかける。
倫子だけではない。2巻では香や小雪までもが、それぞれいわくつきの男性と夜をともにし、幸せになれる見込みのない色恋にハマっていくのだ。