ただし、健全な資金計画であるかと言うと、別の視点も必要になります。
たとえば、住宅ローンの年間返済額をみると、分譲戸建ては19.2%、分譲マンションは19.4%で、これは一般的に理想とする返済負担率30%以内に収まっており、十分余裕のある計画に思えますが、実態はどうでしょう。
○家賃負担よりも重いローンの毎月返済額
同調査では、返済負担を非常に負担感があると答えた世帯が14.4%、少し負担感があると答えた世帯は56.9%で、年々増加している傾向にあります。これは年収や購入前の住居費、つまり家賃との関係もあるのではないでしょうか。
平均世帯年収は、分譲戸建てで644万円。購入代金との比較では年収倍率が5.7倍。分譲マンションでは年収694万円で年収倍率が5.2倍です。ほかの調査では首都圏などは9倍というデータもありますから、国交省の調査では、全国平均でかなり低く抑えられているようです。
しかし、いずれにしても、昔のように、収入が右肩上がりの時代ではなくなった今、この年収倍率は、少々無理をして住宅を購入している、ということかもしれません。
また、購入前の家賃と、購入後の毎月返済額(年間返済額を毎月返済のみとし12で割り返す)