2015年9月3日 10:30
航空会社のつくりかた (3) エアバスかボーイングか! A320導入の裏で実施した"業界の非常識"
というのが総務・経理担当の見解だった。
当日の説明会会場で「やむを得ぬ事情により本日の説明会は中止します」と案内せざるを得なくなり、その後、広く個人への投資勧誘が行われることはなかった。この金商法の定めによる勧誘制限は企業への出資要請にも適用されるので、半年間に50社以上の企業に出資要請をすることができない。慎重にスケジュール表を書き、"空振り"を極力減らさないといけない、骨の折れる資金集めが続いた。
○リース機発注にも資金がいる
2004年のもうひとつのトピックスは機材の発注だろう。堀社長とは「新品の機材でいく」ことで合意していた。先発の新興エアライン各社が中古機でスタートし、思わぬ機材故障で遅延・欠航を連発していた事例が頭に残っていたし、中古機の品質の見極めは大変難しい。
前の使用社エアラインがどんな整備をしていたか、隠れた不具合が残っていないかはよほどの大掛かりな点検をしないと分からないし、それを検証にいく時間も人間もない。
他方、新造機は高い買い物だが、それだけにパイロット・CAの無償訓練、整備、部品のサポートなど新興エアラインには非常にありがたいサービスが受けられる。
これはリース会社が購入した航空機でも同じで、購入者の権利を引き継げるのだ。