くらし情報『テレビ・ワンシーン考現学 (17) 「思わず寝坊してしまった!」を考察する』

2015年10月5日 11:00

テレビ・ワンシーン考現学 (17) 「思わず寝坊してしまった!」を考察する

本屋を通りかかる度に、片付け術の本が大量に出ているという大いなる矛盾状態を確認するが、断捨離のターゲットから時計の部類が除外されているのは納得がいかない。「携帯を持たずに出かけて自分を見つめ直す自由な時間を」なんてスローガンも時たま聞こえるが、無駄に哲学的な問答を繰り広げれば、「時間」が意識されている限り、それは純粋に「自分」と言えるのかどうか。時間を自分で専有するという意識が、時間から自由になれていない証左ではないか。

これだけどこでも何度でも時間が確認できるというのに、時計産業は拡大を続けている。一般社団法人日本時計協会によれば、2013年のデータで、前年比120%の6,955億円、2010年以降4年連続のプラス成長だったという。その内訳はウォッチ(腕時計)市場が前年比121%、クロック(置時計・掛時計・目覚まし時計)市場が107%の成長である。この2つの数値を単純計算で合わせれば、前年比の成長は110%くらいになるはずだが、そうならないのは市場規模の差だ。確認して驚く。
ウォッチ市場が6,405億円であるのに比べ、クロック市場は550億円。わずか8%なのである。街中では、腕時計が頻繁に巻き替えられ、その一方で、家の中ではおんなじ時計が使われる。

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