くらし情報『兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (31) カレー沢薫が偏愛する、ある猫の物語』

2015年10月6日 12:00

兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (31) カレー沢薫が偏愛する、ある猫の物語

と思った。あまりにも余すところなく魅力が凝縮されすぎていて、何らかの条例に反している気すらしたのだ。つまり一瞬で心奪われたのだが、スフィンクスは猫の中でもかなりのレア猫である。読者の方々も、毛のない猫が街中を闊歩しているところはあまり見たことがないだろう。そしてペットショップでも取り扱っていることが稀、というか見たことがない。

そんなスフィンクスの実物を私が見たのは十数年前、世界の珍しい猫が集まる催しがあり、その中にスフィンクスがいると聞き、喜び勇んでオシャレして一人で行った。するとスフィンクスはガラスケースの中で完全に毛布に埋没していた。毛がないので寒がりなのだ。
当たり前のことである、納得しかできない。

しかし、スフィンクスを見に来たのにスフィンクスの姿が見られないことに関しては納得いかなかった。すると隣にいたおっさんも納得できなかったようで、係員にスフィンクスを見せるように頼んでいた。寒がっている猫ちゃんの毛布をはぎ取れとは、こいつは鬼、悪魔、もしくはダースベイダーである。私はすぐさま、こんなこともあろうかと持ってきていたライトセーバーでおっさんを退治しようとしたのだが、もしかしたらライトセーバーの光は猫ちゃんの目に悪影響かもしれぬと思うとすぐさま行動に移れなかった。

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