2015年10月8日 10:30
航空会社のつくりかた (8) スターフライヤー就航日、そしてWBCからの贈り物
最大の誤算はANAとのコードシェアの遅れだった。
北九州はもともとJAL(旧JAS)の独占路線だったので、ANAにしてもコードシェアで直行便を開設できればネットワークや法人営業などの対抗上メリットがある。スターフライヤーにすれば、一定数の買い取りにより利用率の底上げが見込める(両社の顧客層が違うため)。つまりウインウインの効果が期待できたので、双方とも前向きに議論を進めていた。
しかし、就航前のハイレベル交渉で、買い取り便、価格、座席数なので予想外のぶつかり合いが生じてしまい、相手の逆鱗にふれることとなったのである。我々の方の交渉者にも「元JALでやり合った相手に対し、臆することはない」というプライドのようなものがあったのかもしれない。すぐに仕切り直しも考えたが、しばらく冷却期間を置いて交渉を再開しようということになり、半年以上の遅れが確定的となった。○就航初年度は20億円を超える赤字に
2006年度は後半も営業施策はあれこれ講じたものの深夜便が足を引っ張り続けたこともあり、11月には羽田着深夜便をやむなく減便で対応した。
こうして2006年度は20億円を超える赤字となった。
しかし堀社長とは、「ANAとのコードシェアは一方的に助けてもらうだけのものではなく、双方メリットが大きなため早晩実現できる。