2015年10月22日 08:00
「マグネットスペース」で偶発的な出会いを促進 - ジョンソン・エンド・ジョンソンのボトムアップ型オフィス改革
その中には、B to Cのビジネスをメインに行っている同社は、絶えず変わりゆく消費者の心をとらえた製品開発やマーケティング活動を行うため、専門性を持った社員同士が部門の垣根を越えて気軽に議論をし、ボトムアップでいろいろな意見を出し合える環境と文化が重要だという思いがあった。
J&Jの海外オフィスの成功事例なども踏まえながら新社長が打ち出したのは、「社内の文化を変えるため、まず社員が日々過ごす職場環境を変えよう」というアイデアで、ここから同社のオフィス改革もスタートしたのである。
○物理的隔たりがコミュニケーションを阻害
旧オフィス最大の課題は、ビジネスの幹であり、社内で最も大きな組織である営業とそのほかの部門に、社内レイアウト上の物理的な隔たりがあったことだ。人数の多い営業職はどうしても同じフロアに収まりきらず、マーケティングやバックオフィス部門とは別階にオフィスを構えていたという。
同社のオフィスの変革プロジェクト「OFFICE-AID」のプロジェクトリーダーを務めた鈴木俊幸さんが、当時の社内の様子を振り返って語ってくれた。鈴木さん「正直なところ以前は営業現場とマーケティングを始めとする関連部門が密接に連携していたとは言えなかったですね。