2015年11月12日 16:16
25歳のあなたへ。これからの貯"金"講座 (25) 小学生の息子と考える「難民や戦争のこと」
を考える
ただ、紛争や難民について考えていくと「自分たちが追われる立場になった時、どうするか」だけではなく、「自分たちが彼・彼女のために何ができるか」という問題にも直面することになります。
映画には、まるで自分の子どものようにユレクに対して親切にしてくれるポーランド女性が出てきました。彼女の夫と息子たちはパルチザンとして森に入り、ナチスドイツと戦っています。ユレクがユダヤ人であることに気づいていますが、キリスト教徒としてのふるまい方を教えてくれます。
その映画中で、彼女の村が丸ごとドイツ軍に焼き払われるシーンが出てきます。ユレクをかくまったことも原因の一端なので、彼を助けず通報したら家財を失うことはなかったかもしれません。それでも彼女はユレクを地下室のさらに奥へ隠し通します。
「ママがもしこの女の人だったら、ユレクを助けることができただろうか。
自分が殺されたかもしれない時に、知らない子どもを助けるのはすごいことだと思うよ。こういう人が、きっとたくさんいたんだろうね」。映画館を出て、平和な有楽町の街でドーナツを食べながら話したことを思い出します。自分自身が危険にさらされながら、見ず知らずの子どもを助けることに比べたら、今の日本社会に難民を受け入れることは、もっとずっと容易なことでしょう。