池上彰が振り返るメディアの歴史 - これから必要な覚悟とは?
6カ月たつと働く場所も用意してくれて、ドイツはいいぞ』とスマホで連絡してくるようになり、残っていた人々は、『それならヨーロッパへいこう』と目指すようになった」(池上氏)
現在、難民支援を行っているボランティアの人々は、スマートフォンの充電ステーションを設置し、難民たちに提供している。そのため、スマートフォンが充電切れする心配はないという。また、スマートフォンにはGPS機能がついているため、難民たちは道に迷うこともなく、目的地へ向かっていける。
「スマホを持つことによって、難民たちはヨーロッパへ押し寄せるようになった。これは、大勢のイスラム教徒が、キリスト教であるヨーロッパへと押し寄せているということ。かつて、ゲルマン民族の大移動によって、西ローマ帝国は滅び、今のヨーロッパがつくられた歴史がある。ヨーロッパは今、民族だけでなく、言葉や宗教も異なるアラブ民族をどのように受け入れればよいのか、ヨーロッパの覚悟を問われている」(池上氏)
現在、ヨーロッパでは難民受け入れができなくなっており、先進国が手分けをして受け入れていこうということになると、日本も関係のない話ではなくなってくる。その時、日本社会はどのような対応をとるのだろうか。