2016年1月25日 06:00
山田祥平のニュース羅針盤 (59) 岐路に立つMVNOビジネス
といわれることにそれほど抵抗はないようでもある。実際、IIJでも、外部に対するコミュニケーションとして「MVNOサービス(格安SIM)」と名乗っているくらいだ。
○MVNOが再び盛り上がる?
その格安サービスを揺るがしかねないトレンドがある。それが加入者管理機能(HLR、HSS)の開放だ。個々のキャリアが有する加入者のデータベースをMVNOに開放し、より柔軟なサービスを提供できるようにしようというチャレンジだ。
これによって、MVNO各社は自前のSIMを発行できるようになり、キャリアをまたいだサービスを提供できるようにもなる。日本国内においては今のところドコモのネットワークがもっとも廉価なのであまり意味が見出せないが、たとえば、海外の現地キャリアを使って格安ローミングのようなビジネスが実現可能になる。
たとえばGoogleは、米国向けにProject Fi(https://fi.google.com/about/faq/)と呼ばれるサービスを提供している。
これは、一種のMVNOであり、米国内において複数のキャリアをまたいでネットワークが使われる。さらに、米国外に出たときも、現地のキャリアを使って接続される。