くらし情報『山田祥平のニュース羅針盤 (59) 岐路に立つMVNOビジネス』

2016年1月25日 06:00

山田祥平のニュース羅針盤 (59) 岐路に立つMVNOビジネス

価格的にもリーズナブルで魅力的なサービスになっている。

○価格とコストとアイデンティティ

それなら日本でもと期待したいところだが、こうしたサービスを提供するためには、どうしても加入者管理機能を使う必要がある。仮に開放が実現されたとしても、そのためには馬鹿にならない数十億円単位のコストという問題が降りかかる。

総務省の調べによると現在のMVNOサービスの契約数は1,063万回線ある。そのうち格安SIMは4割程度と推定されるそうだ。高い成長率で推移しているもののその程度の数字だ。仮にHLR、HSSの開放に30億円かかるとしよう。単純に30億円を1,000万契約でワリカンすれば300円、こうした付加価値が必要のない契約をのぞいた格安SIM契約だけで負担すると、約4割の400万契約でのワリカンとして750円になる。
つまり、それだけの金額を上乗せしないとビジネスが破綻する可能性があるわけだ。今後、ワリカンの母数がどんどん増えて、無視できる負担額になることもあるかもしれないが、それがゼロになるわけではない。

ユーザーがMVNOに対して何を求めるか。今のところは価格であることは明白だ。大手キャリアより安いというのが現時点でのMVNOのアイデンティティだ。

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