2016年2月9日 12:00
兼業まんがクリエイター・カレー沢薫の日常と退廃 (49) 安直?楽勝?作家から見た「過去のヒット作のリバイバル」
リバイバル商品のターゲットは当時のファンなので、売れなかった物をもう一回やっても同じように売れないし、もっと売れない可能性の方が高いに決まっている。美味いカレーをリメイクして美味いカレードリアを作ることは出来るが、ウンコをリメイクしてカレーを作るのが至難の業であるのと同じだ。
過去の威光に縋るのもあまり良い事ではないかもしれないが、売れなかった物に執着する方が5億倍ヤバいので、そこは諦めて次を作るしかないのである。
○リメイク作品のやさしさと「ゾンビ化」の恐怖
受け手として考えても、私自身、リメイク作品はかなり好きな方だ。単に懐かしいというのもあるが、年を取って「全く新しい物」を取り入れる力が落ちているからというのもあると思う。
ゲームをするにしても、新しいゲームのシステムを1から覚えるのは面倒だし、映画を見ていても、登場人物の名前と顔がなかなか一致せず、「おい!なんでこいつ生きてんだよ!じゃあさっき死んだの誰だよ!」ということが平気で起こる。その点、リメイクものなら新情報を仕入れる必要がないため、簡単に入り込むことができるのだ。
人によっては「リメイクされているとはいえ、同じ物を見て楽しいか?」