2016年2月16日 10:00
順天堂大学、ResearchKitを用いたiPhoneアプリを3本公開 - 臨床研究も開始
また、普段からの症状の変動をiPhoneで情報を集められれば、病気の進行の抑制、回復を早めることもできるのではといった臨床の現場での新たな展開も視野に入れられている。診察室以外で患者の日常を記録し、臨床研究に反映させることで、将来の治療の質と患者の生活の質(QOL)の向上も考えられる。
パーキンソン病患者向けの「iPARKSTUDY」は、患者の運動機能と睡眠を調査することを目的にしてリリースされた。パーキンソン病は運動障害が目立つ疾患なのだが、治療方針を決定するのには、日常生活の活動状況を正確に評価することが欠かせない。睡眠障害を合併するケースも多く、生活の質を下げる原因ともなるが、本アプリを使って、アンケート調査を行うことで、患者の日々の生活を把握できるかどうかを検討していく。パーキンソン病の病因は未だ、はっきりしないことが多く、また、根本的な治療法は確立されていないが、この研究により、患者の日常生活全般を評価する方法を確立できれば、治療方針の決定に役立つ可能性もある。気管支喘息患者向けの「ぜんそくログ」は被験者にアンケートに答えてもらい、日本における喘息患者の実態調査を行うことで、治療の向上に貢献することを目的としている。