シングルマザーとして生きること(1)「母子家庭=貧困」という世間の目
また、実家暮らしや近くに親が住んでいて親に頼れる環境にある人もいれば、孤立無援で奮闘する人もいる。
同じシングルマザーということで、同志的な気持ちでつながるご縁もある。特に初期の頃は、心のよりどころや思いを共有できる人がほしかったり、話し相手ほしさにシングルマザーというだけで安易に結束しやすい。でも、つきあいが深まり、お互いの背景が明らかになるにつれ、状況の違いはもちろん、価値観、倫理観(例えば同じ非婚シングルでも、妻子ある男性との子を産んだ人、パートナーが亡くなった後に妊娠が発覚した人、子の認知があるかないかも様々)の差異によって、時に傷つけあってしまうこともあり、発言に気を付けたり、お互いを気遣うがゆえに疲労したり、ストレスを抱えてしまうこともある。
ただ、どんな境遇にあるにしても、シングルマザーとしての子に対する思いにはそれほど大きな差はない。どんな人であっても、子供に対しては愛情を持っているものだからだ。
○我が子が"かわいそうな子"とされる苦痛
シングルマザーとして生きていく上での一番の辛さは、生活や将来の不安以上に、個人的には世間の偏見や差別だ。それは、メディアが報じるシングルマザーの実態や、テレビドラマや映画で描かれる母子家庭が、幼い子を抱えて健気に奮闘するという感情移入しやすいステレオタイプなシングルマザー像が多いせいもあるだろう。