テレビ屋の声 - 第8回 テレ朝『しくじり先生』北野貴章氏が明かす失敗体験を引き出すコツ…長時間の打合せで「アホなふりして聞く」
でも、中田さんには「もう出し尽くしたから、二度と出ない」と断られ続け、収録の3日くらい前まで何回も頼んで、やっと実現した回だったので、あの授業は思い入れがありますね。
もう1本あって、番組審議会に呼ばれたときに、審議委員の秋元康さんに「ゴールデンに進出してから、ドキュメンタリー的な感動の方向に行きがちなところもある」と意見をいただいたので、「そしたら、笑いはもちろん、驚きも感動もある"エンターテイメント"にしよう」と考えたんです。それが一番できたのが、辺見マリさんの「洗脳されて5億円を失っちゃった先生」の授業(※2)ですね。僕の中では、それがすごく表現できたと思いました。
(※2)…洗脳によって5億円を失い、金銭トラブル、熟女ヌード、さらには家族との固執と、さまざまな不幸を経験することになった辺見マリが行った、人生を棒に振らないための授業。「洗脳から覚めて本当によかった」と涙を流しながら講義する姿が話題となり、吉村崇も「伝説の回」と絶賛した。2015年9月14日放送。
――今後こんなことをやってみたいという番組はありますか?
『しくじり先生』でもそうなんですが、視聴者の皆さんに"ながら見"されたくないんです。