東出昌大、"凡才"のプライド - 『桐島』の逃げない心で挑む、天才・デスノートオタク役
ちょっとずつですが。まだ、自分は弱くて、もっともっと深く突き詰めなければいけない。言い訳せず肩の力を抜いて楽になれば、より良くできるのかなと思う時もあるんですが。いかんせん、それに気づかなかったり、挑戦する勇気が出なかったり……その時は、意外と精一杯だったり。終わってみて、もっとこうすればよかったと思うことばかりです。
――数年前を振り返ると、自分は逃げていたと。
それは思います。『桐島』のとき、ラストで泣きの芝居があったんですが、あの時、余計なことばかり考えていて。
「泣けるのか?」「泣けない!」とか。役の感情になればいいんだからと言われても、「そんなこと言われても!」と受け入れられなかった(笑)。でも、そこで逃げないで向き合っていれば、もっと素直に演じられたはず……。役者として駆け出しだったのもありますが、ほかの役者さんだったら僕よりも間違いなくうまくやっていた。今振り返ってみても、本当にご迷惑をかけたなと思います。
――逃げない心。鍛えるにはやはり場数ですか?
そうですね。天才と言われる人たちは、そこに「素直さ」があるんだと思います。
お芝居というものを瞬間的に信じる力が強かったり。