光浦靖子のものづくり vol.1 「根っこには愛情しかないですよ」
――今回著書を出されたニードルに行きつくまで様々なものづくりに挑戦されていますが、一番楽しいと感じたのはどれですか?
フェルトですね。フェルトマスコット作りが一番楽しいです。というか、やっぱり役に立たないモノを作るのが一番楽しいですね。
マスコット作りは、寸が足りなければ生地を引っ張れば伸びるし、気に入らなければちぎってしまえばいいのでとにかく楽。大人になっても思い立ったらやっていました。
何かテキストとかを見ながらやるのが嫌いなんですよ。あと、とにかく数字が嫌いで。だから好きな手芸でも、モノを測ったり、型紙を取ったりするのがまあ、苦手。
洋服作るのはうまくできないし、何となくできるものが好きですね。
――ずっと続けていたフェルトマスコットから、ニードルでのブローチづくりに移行したきっかけは?
材料を見つけたという、ただそれだけですね。ある日手芸屋さんに行った時、ニードルのマスコットを初めて見つけて、縫い目のない人形ができるんだってことに感動したんです。お店に見本のマスコットがあったので、それを作るのに何が必要なのか店員さんに聞いて、その場で材料を即買いしましたね。それで、その日のうちに作りました。