くらし情報『映画『3月のライオン』は原作をどう立体化したのか? それぞれの視点 (5) 実写化に「間違ってる」とは言ってほしくない - 大友啓史監督』

2017年4月21日 11:00

映画『3月のライオン』は原作をどう立体化したのか? それぞれの視点 (5) 実写化に「間違ってる」とは言ってほしくない - 大友啓史監督

観客が零くんの気持ちに寄り添って観れるように、感情の流れ、気持ちの流れ、成長を丁寧に描けるように。

――原作について、他にはどのような点が魅力だととらえられていましたか。

ストーリー自体だけで転がしていくのではないところがいいんですよね。カラフルな色彩感や日本に代々伝わるしきたり、四季の移り変わり、折々で食卓を囲む食の豊かさや生活の豊かさみたいなものが、羽海野先生の細やかな感情で描きこまれていると思うので、尺は決まってるけど、なるべく盛り込めるようにとは意識しましたね。

――風景がかなり細やかでしたよね。監督が撮られていて、印象的なシーンは。

前編の最初に、零が川本家と出会って帰っていくシーンは、何十テイクやったかわからないですね。孤独な少年は、ああいう温かい3人の邪気のない親切を受け止めて、1人になった時にどういう風に感じるのかな、と。
テイクを重ねることで、零はどういう心の動きをしたんだろうというのを、神木くんとさらっていきました。

というのも、原作ではもう、零と川本家の出会いは過去のこととして連載が始まっているんです。映画オリジナルで作り上げていくシーンになるから、埋め合わせていく作業が必要でした。

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