木村拓哉、"不死身"の生き様 - 映画『無限の住人』と「無限の想い」 (2) なぜ演技にストイック? 木村拓哉にとっての"大変"「本編に必要ない」
――撮影の合間も含め、不都合なところもあったのでは?
不都合どころじゃなかったです(笑)。撮影がはじまって3~4日は、階段の昇り降りすらやっと。現場にはプレハブの支度小屋があったんですが、そこで衣装を着させていただいて、京都の太秦のスタッフが帯をグッと締めてパンパンとお尻をたたいて送り出してくださる。そこから階段で下りていく時に、クランクインして3日ぐらいは危険を感じました(笑)。アクションの撮影をする頃にその感覚は自分の中に染み込んできていたので問題ありませんでした。
――今回の撮影で追い込まれたことは?
肉体的にハードだったり、そういう大変なところは本編の中に必要ないものです。作品にいらないものは、現場にもいらない。自分が寒いとか、痛いとか、作品には関係ない。
本編に必要なものしか、現場にはないんです。
○不器用な男・万次に抱く「哀れみ」
――万次をどんな男と捉えていますか?
不器用ですよね。なんか、包み込むことができないやつというか。長い間、生きてはいるけども、人を包む優しさというものを持てていない。きっと不器用だから、「必要ない」と思っているんでしょうが、不器用な分、正面から当たって向き合っていく。