2017年6月9日 21:00
『3月のライオン』『時かけ』脚本、映画監督で「大失敗したい」本当の狙い - "売れる方程式"への挑戦と野心
――渡部さんの理想は、何を撮るかではなく、誰で撮るか?
もちろん何を撮るかも大切ですが、やっぱり新しい役者はもっと出て欲しい。そして、新しい監督も。実績のある監督、役者を並べれば良い作品に仕上がって失敗はないと思うんです。それが悪い映画とはならない。でも、観る前から想像できてしまうって、すごくもったいないなと。
●"埋もれない方法"の『シン・ゴジラ』
○テレビ局に落ちて脚本家に
――監督としてデビューする前は、ずっとシナリオを書いていたそうですね。
脚本家になりたくて、ずっと脚本の勉強をしていました。きっかけは、テレビ局の就職活動で失敗したこと。
ドラマ部に入りたかったんですが、狭き門で入れず。でも、やっぱり諦められなくて。次の年も受けようと思って、それまで時間がもったいないので、脚本の勉強をすることにしたんです。それをやりはじめたら、結果ハマってしまった。脚本が面白くて、テレビ局に入らなくてもいいやとなっちゃったんです(笑)。
――脚本のどんなところに惹きつけられたんですか?
「脚本が映像になる」という当たり前のことに触れて衝撃を受けました。僕が書いた通りに役者が動いてくれるというのも、なんだか不思議でした(笑)。