2018年4月29日 10:00
『超高速!参勤交代』土橋章宏、なぜパラ五輪題材? "成熟社会"の理想像
ぐらいでしょうか。脚本家という仕事は、みんなの中間地というか。監督、プロデューサー、役者の間に立って、その落とし所を探るのも大切な仕事です。そういった意味では、懐の深さは養われているとは思います(笑)。自分の考えを通せないから楽しくないこともあるんですが、無理難題に対して意表をついた返しをして、相手を驚かせる楽しさもあります。
――もとはサラリーマンだったそうですね。
日立に勤めていました。バブルが完全に弾けてしまって、当時の研究が打ち切りになりました。
僕は研究がやりたかったので、このままいてもしょうがないのかなと思って辞めることに。30歳ぐらいの頃だったと思います。――同じ業種に転職する選択肢はなかったんですか?
新しいことに挑戦するのが好きなんです。その頃、インターネットの黎明期だったのでWEB制作会社を立ち上げたらわりとうまく行って。次第に大手が参入し始めて、中小企業の需要が減って来た頃に「次の新しいことは何だろう……」と考えて、思いついたのが小説でした。
――作家ですか!?
ええ(笑)。昔から本を読むのが好きだったんです。WEB制作会社に勤めながら、小説の学校に通っていました。