2018年10月27日 12:05
成河&福士誠治、演劇畑2人が語り倒す『スリル・ミー』の魅力&演技論
でも、今日1日いて、福士くんと僕の間にあるものが、ひとかけら、わかったような気もします。言葉にはならないけど、そういうパーツがたくさん集まると楽しいと思います。
福士:こうやって1日中取材を受けると、引き出しができたような気がする。まだ空っぽだけど、私と彼の間なのか、僕と成河くんの間なのか、「何かができた」というのはすごく感じられました。
――少し、イメージできたということですか?
成河:あ、そういう言い方したらダメですよ。今、福士くんが良い言い方したから。この2人の間に、入れるべき箱ができた、ということなんです。イメージは、まだ一個もない。
福士:器、くらいだね。
成河:前提にも達してないけど、そういう過程が、やっぱり役者の醍醐味なんです。
福士:器ができて、1ピース埋まったから、千秋楽までに全部できる! ということでもない。
成河:これは良い話ですよ、演技論の! 役者ってどうしても、自分の頭の中に器を作ってしまいがちだし、台本と接するようになってしまう。でも、本当はその器は2人の間にしかなくて、相手がいなければ成り立たないんです。2人の間の器の輪郭を考えて、「こんな形とこんな色をしているなら、だったらこれを入れようかな?」