『デイアンドナイト』生みの親・阿部進之介の「受け入れる」人付き合い
だんだん家族になってきて、最終的には自分のことのようになるはずなんですよね。
――明石は善と悪で揺れ動き、葛藤する役どころです。そこと向き合い続けると、日常の精神状態にも影響が出そうですね。
準備期間の段階で、明石を擬似体験するようなことはないです。撮影直前になっていくと、そこまで落とし込んでいきますが。そうしないと、ちょっと大変なので(笑)。撮影中はしんどいですね。
――役を「自分ごと」として考える。
それは、プライベートでの人付き合いにも影響しているとも書いてありました。
結局、役は一人の人間。今、こうして向き合ってインタビューしてもらっていることと変わらないんですよね。会話で相手のことを理解しようとする。役の場合も同じです。普段から、対面している人を理解しようとしたり、受け入れようとしたり。自分の役は、絶対に否定しちゃダメなんですよね。否定してしまうと、役に共感できなくなる。
それは現実においても同じだと思っています。
――2003年にデビューしてから、どのあたりでそこに気づいたんですか?
なんとなくはやっていましたが、俳優としての行為が実生活に良い作用があるとはなかなか思えなくて。