2019年10月16日 17:26
松本白鸚が考える、「役者としての務め」とは? 主演舞台50周年に語る
と思ったという白鸚。しかし、そこへブロードウェイからのオファーが来て、作品は「息を吹き返した」。「25~6歳だったので、若さで『行きます』って言っちゃった。その時、菊田(一夫)先生がそばにいて、もうお身体がだいぶお悪くて車椅子だったんですが、『先生、ブロードウェイから話がありました』と報告したら、『おめでとう』と言ってくださった、あの嫉妬の混じった顔は忘れない」「余談ですけども、菊田一夫さんと三谷幸喜さんがそっくりなんです。これがなんか不思議な縁なんですよ。めぐりあいというか、ご縁があるんですよね」と笑う。
若い人に見てもらうには? という質問に、白鸚は「歌舞伎を初めてご覧になる方にも似たことを言うのですが、とにかくご覧になって、興味の持てるところを感じていただければいいんじゃないかな。お芝居は、楽しんでいただけなきゃ。
『ラ・マンチャの男』も、初演の時は難しかったです。でも人生を歩んでくると、夢は敗れて希望なんて見つからないようなことも起こってくる。そういう時に『ラ・マンチャの男』を思い出すんですよね」としみじみ。「僕も50年間、何度『The Impossible Dream』(見果てぬ夢)