経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (18) ”サムライ”とは何か? 山口義正氏著『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』
経済キャスターの鈴木ともみです。
連載『経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊』では、私が読んで”これは”と思った書籍を、著者の方へのインタビューを交えながら紹介しています。
第18回の今回は、山口義正さんの『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』(講談社)を紹介します。
「これは真実である。
情報提供者を秘匿するため、登場人物のうち「深町」だけを仮名とし、一部の人物・固有名詞については名を伏せたが、すべて実在の人物、企業等である。
日時や場所についても特段の事情がない限り、発表資料や電子メールのやり取りの記録などから可能な限り正確を期した」。
今回ご紹介する『サムライと愚か者暗闘オリンパス事件』は上記のような「ことわり書き」から始まります。
今やオリンパス事件と言えば、日米欧の捜査当局が大規模な動きを見せた一大経済事件として、誰もが知っている事実です。
であるにもかかわらず、敢えて「ノンフィクションの書」であるという「ことわり書き」を記していることに、私は最初、疑問を抱きました。
しかし、同書を読み進めるうちに、その疑問は解かれ、確かに「ノンフィクションの書である」