経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (18) ”サムライ”とは何か? 山口義正氏著『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』
まさに「サムライが挑む一騎打ち」のシーンとでも言いましょうか。
私は何度も読み返しました。
ぜひとも、読んでその様子をイメージしていただきたいシーンのひとつです。
そして、そのやりとりから約2カ月後、ウッドフォード氏は社長職から解任されることになります。
この取締役会にて解任されたウッドフォード氏は、すぐさま英国に帰国すると、フィナンシャル・タイムズやウォールストリート・ジャーナルなどの経済誌へオリンパスが抱える問題について語り、英国SFO(重大不正捜査局)へも通報。
オリンパス問題は、一気に海外で急展開を見せ始め「オリンパス不正疑惑事件」へと重大化していきます。
世界中の注目が集まるなか、本事件のスクープを放った山口さんのもとに、新たな人物が現れます。
この人物がとても興味深い。
米国人ながら肩書は僧侶。
その僧侶「ミラー・和空」氏は、第四章のタイトルにおいて「怪僧」と評されているほど、個性豊かな人物です。
先程触れたウッドフォード元社長と、菊川元会長が直接対峙するランチミーティングの場面を克明に再現できたのも、このミラー・和空氏からの情報提供によるものでした。