経済キャスター・鈴木ともみが惚れた、”珠玉”の一冊 (18) ”サムライ”とは何か? 山口義正氏著『サムライと愚か者 暗闘オリンパス事件』
オリンパスの格付けも引き下げられます。
そして11月8日。
ついにオリンパスが膝を屈する日がやってきます…。
年が明けて2012年2月16日。
東京地検特捜部と警視庁は、菊川元会長兼社長を始め7人を金融商品取引法違反(有価証券報告 書の虚偽記載)の容疑で逮捕します。
逮捕者のなかには、野村証券OBの横尾宣政(現・被告)も含まれていました。
横尾被告はオリンパス社外の人物です。
詳しくは、同書の第六章『野村証券OBたち』に書かれています。
ビジネス・経済・マーケット関連の書籍では、なかなか明かされない事実が記されています。
個人的には、金融関係の方々にこそ、お読みいただきたい章と言えます。
さて、このように「オリンパス事件」は、会社を私物化する経営者、そこに群がる闇の人物たちによってもたらされた許されざる経済事件です。
と、同時に『「個人」の力こそが全うな価値の源泉なのだ』ということを教えてくれた事件だったようにも思います。
その点について、スクープした記者であり同書の著者でもある山口さんに直接うかがいました。
「私は、この事件を通して『個人』の力はバカにできないという認識を新たにしています。