読む鉄道、観る鉄道 (18) 『交渉人 真下正義』 - 東京の地下鉄で爆弾を積んだ「クモ」走り回る!
JR西日本では、北陸新幹線から在来線へ乗り入れる列車にフリーゲージトレイン導入を検討しているという。
電化方式の違いを問わないバッテリー方式の電車も、JR東日本が開発中だ。
つまり、営業用として採算に見合うかどうかは別として、いまの鉄道技術なら「クモE4-600」は実現可能。
同作品のスタッフはちゃんと鉄道技術をリサーチして作っているんだなと感心する。
この作品を見て、東京の地下鉄を知っている人は不思議に思ったことだろう。
駅の雰囲気は東京の地下鉄に似ている気がするけれど、車両はまったく違う。
じつは、「地下鉄内を制御不能の爆弾列車が走る」という設定も影響し、東京メトロや都営地下鉄の撮影許可を得られなかった。
そこで全国各地の地下鉄でロケを実施した。
だから東京の地下鉄が舞台にもかかわらず、実際の東京の地下鉄は出てこない。
それでも同作品を違和感なく映画を楽しめる理由は、コメディであり、他の作品のパロディが多い『踊る大捜査線』シリーズのひとつだからといえるだろう。
ちなみに、劇中で表示される地下鉄路線図は実物とほぼ同じように見える。
ただし路線名は違う。
東西線は東陽線、有楽町線は桜田門線、半蔵門線は九段下線、銀座線は渋谷線……、となっている。