”自分へのご褒美”が落とし穴! 『カイジ』に学ぶ”1億総借金時代”の生き抜き方
そして、消費者金融・帝愛グループ傘下の「遠藤金融」の遠藤に誘われ、借金を返すために命を懸けたギャンブルに挑んでいきます。
マンガならではのダメな主人公、と片付けるわけにはいきません。このようなデータがあります。日本で消費者金融の利用経験者は約1,500万人で8人に1人(日本信用情報機構調べ)。多重債務者は現在107万人です。さらに、NTTデータ経営研究所は、「若年層は借入当初から消費者金融を利用する傾向が高い」と報告しています。カイジになるかもしれない人たちがたくさんいる。この現状をなんとかしなければ、と考えていたんです。
ここ数年、政府も同じことを考えていて、小中学校にお金についての授業を組み込んだりしています。使われているテキストを見ましたが、驚くほどつまらない(笑)。あんなに工夫のないテキストを読めるのは、とてもまじめな子だけでしょう。でも、本当にお金の知識が必要なのはまじめな子ではなく、カイジのような、気が緩むと自堕落な生活に陥ってしまう人です。そこで、「カイジ」をひもといて、お金の本性を説明することができれば、”カイジ予備軍”に届くのではないかと考えたんです。
――「カイジ」