”自分へのご褒美”が落とし穴! 『カイジ』に学ぶ”1億総借金時代”の生き抜き方
はギャンブルを題材にしたエンターテインメント作品です。でも、木暮さんが見ると、「資本主義の物語」に映るんですね。
僕はここ数年、ある企業の新入社員研修に講師として登壇しています。そこでも「カイジ」の映画を見てもらっています。彼、彼女たちに「誰が悪者?」と尋ねると、「帝愛グループ」と即答します。「じゃあ、誰が悪いの?」と聞くと、「……え? もしかして、カイジ?」という反応が返ってきます。
確かに、帝愛グループは悪者かもしれません。でも、資本主義経済は、ルールに則って、投資したお金からいかに多くのリターンを得るかというシステムです。
帝愛グループは、いい年の大人と、さまざまな契約書を交わします。「勝てば借金帳消し、負ければ命の保証はない」という内容もあります。命を賭けるギャンブルは、もちろん違法です。でもその他の契約はお互いの合意に基づいた正当な取り決めです。このシステムの中で生きる限り、カイジのように搾取されるのは、マネーリテラシーがない「本人が悪い」のです。
――消費者金融は利用していなくても、クレジットカードで買い物する人は大勢います。でも、それも、「カイジ」と隣り合わせの行為なんですね。