似顔絵検定ってどんな検定!? 1級合格者に似顔絵を描く秘訣を聞いてみた
――パフォーマンスと言いますと?
「私が似顔絵を描き始めたのは小学2、3年生の頃。中学生になると、スターの似顔絵を描いては芸能雑誌に投稿したりしていました。雑誌に私の作品が何度も掲載されて学校でも評判になり、友達の顔を描いてあげて仲良しになったり。似顔絵にはそういう良さがあるんですね。退職する校長先生の顔を描いてあげたこともあります(笑)。
それから、東京に出てきて、お客さまに似顔絵を描いて差し上げる仕事を始めて2日目のことですが、とても思い出深い経験をさせていただきました。
会場の似顔絵ブースに妊娠中のご婦人がいらしてお腹の子供の似顔絵を描いてくれとおっしゃるんです。びっくりして、『直接お顔を拝見しないと描けません』と答えると、『顔は私の夢の中に毎日出てきますので、説明いたします』と。
よくお話を聞くと、そのご婦人の旦那様、つまり赤ちゃんのお父さんが余命宣告されており、生まれてくる我が子に会えないかもしれない。だから、命のあるうちに、似顔絵で我が子を見せてあげたいとおっしゃるんです。そういう事情なら微力ですが協力しますとお引き受けいたしました。
旦那さまの写真とご婦人の顔を合成するように、夢の中で見たという赤ちゃんの顔を描きあげました。